
伊勢湾の風の時間的変化
図5・2・1(A)は代表的な移動性高気圧時における伊勢湾海岸地域の風の時間的変化
(1)1時から5時においては、北部山岳地からの山風が強まり、伊勢湾岸地域がほぼ北北西の風系である。
(2)9時を過ぎてから海風が吹き始める。最初は遠州灘からの外海の海風がわずかに吹き始めるだけで伊勢湾の海風吹走開始は11時からである。
(3)19時から7時にかけて、伊勢湾の西側にあたる伊勢平野からの西寄りの風が吹き、北部および東部の山地からは強い山風ないし陸風が伊勢湾に向かって吹き降りてくる。特に21時と23時においてはこの現象が顕著に現れる。
図5・2・1(B)は太平洋高気圧時における風系分布である。移動性高気圧と比較して異なることは、日中の海風の勢力が増し、夜間から早朝にかけての陸風と山風が弱まることである。
(1)1時においては、伊勢湾に向かって周辺山地および平野部からの山風・陸風が吹き込む。
(2)9時になると濃尾平野北部からの陸風が残存し、海岸部では海風が吹き始める。
(3)11時には海風が強まり北部を除く伊勢湾岸地域は南寄りの風によって占められる。
(4)19時には外海である遠州灘から海風が広く吹き込んでくる。これは21時から23時まで続く。
(5)23時になると東部山地からの山風が吹き出す。
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